命題15
 
 
連続して比例する3つの数がそれらと同じ比を持つ数のうち最小であるならば、どの2つの数の和も余りの数に対して互いに素である。
 
連続して比例する3つの数A、B、Cがそれらと同じ比を持つ数のうち最小であるとする。
 
A、B、Cのどの2つの数の和も余りの数に対して互いに素であることをいう。つまり、A+BがCに対して互いに素であり、B+CがAに対して互いに素であり、A+CがBに対して互いに素である。
 
A、B、Cと同じ比を持つ数の最小数である2つの数DEとEFを取る。proposition[.2
 
DEにDEを掛けてAを作り、EFを掛けてBを作り、EFにEFを掛けてCを作ることは明白である。proposition[.2
 
DEとEFは最小であるから、それゆえにそれらは互いに素である。しかし、2つの数が互いに素であるならば、それらの和もまたそれぞれに対して互いに素であり、それゆえにDFはDEとEFのそれぞれに対して互いに素である。propositionZ.22、propositionZ.28
 
しかし、さらに、DEはEFに対して互いに素であり、それゆえにDFとDEはEFに対して互いに素である。しかし2つの数がある数に対して互いに素であるならば、それらの積もまた他の数に対して互いに素であり、だからFDとDEの積はEFに対して互いに素であり、それゆえにFDとDEの積もまたEFの平方に対して互いに素である。propositionZ.24、propositionZ.25
 
しかしFDとDEの積はDEとEFの積とともにDEの平方であり、それゆえにDEの平方とDEとEFの積の和はEFの平方に対して互いに素である。propositionU.3
 
そしてDEの平方はAであり、DEとEFの積はBであり、EFの平方はCであり、それゆえにAとBの和はCに対して素である。
 
同じようにBとCの和もまたBに対して互いに素であることを証明できる。
 
次にAとCの和もまたBに対して互いに素であることをいう。
 
DFはDEとEFのそれぞれに対して互いに素であるから、それゆえにDFの平方もまたDEとEFの積に対して互いに素である。propositionZ.24、propositionZ.25
 
しかしDEとEFの積の2倍とともにDEとEFの平方の和はDFの平方と等しく、それゆえにDEとEFの積の2倍とともにDEとEFの平方の和はDEとEFの積に対して互いに素である。propositionU.4
 
分けて取られて、DEとEFの積とともにDEとEFの平方の和はDEとEFの積に対して互いに素である。
 
それゆえに、再度分けて取られて、DEとEFの平方の和はDEとEFの積に対して互いに素である。
 
そしてDEの平方はAであり、DEとEFの積はBであり、EFの平方はCである。
 
それゆえにAとCの和はBに対して互いに素である。
 
それゆえに、連続して比例する3つの数がそれらと同じ比を持つ数のうち最小であるならば、どの2つの数の和も余りの数に対して互いに素である。
 
証明終了